とある生徒の話。
二次試験に向けて奔走中。
国公立大学の二次試験は記述が多いのが特徴です。
生徒は赤本を購入して対策しています。
赤本を使うにあたっての注意点はいくつかありますが、
生徒に特に注意しているのは次の2つです。
①時間を計って解く
生徒が赤本を解いている様子を見ると、
時間を計らず大問ごとに答え合わせしている生徒を多く見ます。
過去問を解く意義は傾向を掴むこと以上に、
制限時間内に解ききるスピードを体感することです。
過去問から形式が似たような問題は問われますが、
同じ知識を直接的に問われることはほぼありません。
それよりも、どれくらいのスピードで解いていけばいいのか、
ペースをつかむことが重要です。
大学によっては、時間内に解ききることが困難な場合もあります。
その場合、問題番号通りに解くのが得策ではないことが多いですし、
見切りをつける決断力も必要です。
ですから、試験時間を計って、解くスピードが適切かどうか、
改善する余地があるかどうかを検討するための赤本です。
センター試験と同様にやればやるほど精度が上がってきます。
②解答を鵜呑みにしない
記述問題に限って言えば、
赤本に書かれてある模範解答は
プロ中のプロが作成した解答です。
受験生が模範解答のレベルまで
解答するにはかなり難しいものがあります。
本文を巧妙すぎるほどに言いかえた解答になっていたり、
英作文でもそんな英単語書ける生徒少ないよという突っ込みたくなる英単語があったり、
数学の解法がエレガントすぎたりと。
生徒が赤本の答え合わせをするときに
『こんなレベルにまで解答を仕上げなくちゃいけないの?』
と自信を失くしてしまうことがよくあります。
記述の解答の可能性は無限にあるので、
模範解答の字面だけ追うのではなく、
解答のポイントとなるところを明確にして
自分が作成した解答に何が足りないのか照らし合わせながら
吟味していった方が次につながります。
とある生徒は赤本を解いていくなかで
②に苦しんでいました。
何度やっても模範解答にあるような解答が
書けなくてイライラも表に出ていました。
僕が赤本の解答の扱い方について説明しても
生徒にとっては完璧な解答をつくりたくなるのも当然でしょう。
先日、現代文の授業で100字程度の記述問題を解いてもらいました。
模範解答とは違えど、8割程度は記述の方向性が合っていました。
そのことを伝えると、ちょっと安心している様子でした。
自信をもって。
絶対に大丈夫。