とある日の午後6時ぐらい。
ある生徒が僕に
『月がきれいですよ』と
ぽつりと呟きました。
寺子屋の窓からは月の様子が見えなかったので
外に出て夜空を見上げてみると
まんまるのお月様が輝いておりました。
今は寺子屋は6日まで
お休みを頂いておりますが
それまでは高校3年生ということもあって
ほぼ毎日寺子屋に来ておりました。
この生徒には夢があります。
その夢に向かう過程に
大学があるわけです。
そのために遊びたい気持ちを抑えて
日々、夢のために勉強漬けの毎日です。
模試で上手くいかず
自分の不甲斐なさに落ち込むこともあるでしょう。
問題が思うように解けず
自分を責めることもあるでしょう。
そんな彼の前に現れたきれいな月。
今年は共通テスト初年度で
しかもコロナもあり
受験生には激動の年です。
そんな目まぐるしく揺れ動くなか
いつもと変わらず眼前に現れた月が
僕の心を癒したのは言うまでもありません。
そして彼はその月をどんな心境で見ていたのだろう。