高校2年生との進路面談では、
志望校や入試方式(一般入試や推薦入試など)、
勉強の進め方について一人ひとりと話をしています。
なかには「受験勉強を何から手をつけていいのか分からない」という生徒も多くいますが、
そうした場合には大学受験カリキュラムを作成し、
一人ひとりに合った学習計画を立案しています。

そのなかで、最近よくあるのが
「古文の勉強の仕方が分からない」という相談です。
正直に言えば、すべての人にとって「これがベストだ」という勉強法は存在しません。
なぜなら、生徒ごとに学力状況や学習スタンス、さらには性格までもが異なるからです。
たとえば、まだ基礎が固まっていない生徒であれば、
まず文法事項や古文単語の暗記から始める必要があります。
けれども、暗記ばかりだと飽きてしまい、
なかなか続かないという生徒も少なくありません。
その場合は、短い文章を読みながら出てきた単語や文法を調べていくようにすると、
知識が「使う中で身につく」形になり、自然と記憶にも残りやすくなります。
また、まだ古文の文章に慣れていない場合には、
最初から単語帳をにらむよりも、
設問付きの長文問題を解いてみることの方が効果的なこともあります。
問いがあることで「どこに注目すべきか」が見えやすくなり、
読解の軸をつかみやすくなるからです。
このように考えると、
勉強は人それぞれに合ったアプローチが必要だということが分かります。
だからこそ「万人に通じる唯一の方法」はなく、
むしろ自分に合う勉強法を見つけることが何より大切なのです。
僕自身も、かつて隠岐に2年間住んでいたときには、
生徒たちと一緒に勉強していました。
これまでに入試古文を500題以上は解いていると思います。
解くだけではなく、見直しや知識の確認、訂正や定着を繰り返してきました。
その経験から強く感じるのは、
古文読解は「解いた直後の見直し」にこそ学習効果の本質があるということです。
これは古文読解に限らず、英語や現代文などの長文系の勉強に言えることだと思います。
長文を解いているときには、
実際には非常に多くの思考が頭の中を駆け巡っています。
「この助動詞の『じ』があるから答えはイかエに絞られる」
「この文の主語は誰だろう」「この単語はどこかで見た気がするが何だったか」など、
一見小さなことに思えても、積み重なると得点という形で大きな差になります。
解き終えた直後にこうした思考を振り返り、
自分の判断が正しかったのか、
それともどこかで誤ったのかを確認する作業こそが力を伸ばしてくれます。
あまり時間をあけすぎてしまうと、
そのとき自分がどう考えていたのかを忘れてしまい、
せっかくの学習効果が失われてしまうのです。
ただ解説を流し読みするだけでは見直しの意味は半減します。
大切なのは、自分の思考回路と解答へのプロセスを照らし合わせることです。
たとえば、正しく判断できた部分は自信につなげ、
誤った部分はどの段階で間違えたのかを特定し、
さらに解説の中から新しい解法や気づきを発見できれば、
次の問題に活かすことができます。
僕自身も、一題を解くのに15分かかるとしたら、
見直しにはその3倍から4倍、つまり45分から1時間ほどかけています。
辞書や参考書を引きながら、知識が曖昧なところは丁寧に調べ、
思考を再構築していく時間こそが本当の「勉強時間」だと感じています。
これを50題積み重ねるだけでも、読解力は大きく伸びてきます。
そして、見直しの効果を高めるためには、
解説のしっかりした問題集を使うことが不可欠です。
どの問題集を選べばよいか分からない場合は、
スクール寺子屋の大自習室にある本棚から実際に手に取って確認してみてください。
それでも迷ったときは、遠慮なく相談してほしいと思います。
さらに具体的に「大学受験カリキュラム」に落とし込みたい場合には、
おすすめ教材を組み込んだ学習計画を一緒に作るので、
ぜひ気軽に声をかけてください!