スクール寺子屋では、50分間の授業や自立学習の時間が終わると、
必ず10分間の休憩時間を設けています。
集中する時間と、頭と体を休める時間をしっかり分けることで、
次の50分をより濃いものにするためです。
そのため、休憩時間になると、
各教室を回り、生徒一人ひとりに
「休憩しよう」と声をかけていきます。
教室によっては、ほっとした表情で顔を上げる生徒もいれば、
伸びをしたり、友達と少し言葉を交わしたりする生徒もいます。
それが、いつものスクール寺子屋の風景です。
しかし、先日その“いつもの風景”とは明らかに違う空気を感じる教室がありました。
、
静まり返った空間と、張りつめた空気に思わず背筋が伸びました。
そこには、高校3年生の生徒が一人、
鬼の形相とも言えるほど真剣な表情で机に向かっていました。
この生徒は、もともと真面目に勉強に取り組むタイプの生徒です。
ですが、その日の姿は「真面目」という言葉だけでは足りない、
強い覚悟のようなものを感じさせるものでした。
目は問題冊子から一瞬も離れず、
問題文を追う視線には迷いがなく、
ペン先は止まることなく紙の上を走っています。
頭の中は見えませんが、
知識を総動員し、答えを導き出そうと必死に思考している様子が、
その姿勢や表情からはっきりと伝わってきました。
私は本来、休憩時間になったことを伝えるためにその教室へ来ました。
いつもなら、迷いなく声をかけている場面です。
しかし、その生徒の集中力を目の前にして、
思わず言葉を飲み込んでしまいました。
「今、この時間は邪魔してはいけない」
「この数分、この一問が、この生徒にとって大切な時間なのかもしれない」
そんな考えが頭をよぎり、
声をかけることに、ほんの少し躊躇してしまったのです。
高校3年生の教室では、
こうした集中に出会う場面によく遭遇します。
一つひとつの問題に向き合う姿勢、
一分一秒を無駄にしないように机に向かう姿から、
それぞれが自分の目標に向かって進んでいることが伝わってきます。
こうした積み重ねが、
やがて大きな自信となり、結果につながっていくのだと思います。
その過程を、すぐそばで見られることは、
私たちにとっても大きな励みです。