• 大垣市にある高校生専門の学習塾です。

2020年度から始まる新入試制度において
英語の民間試験の活用が注目されておりますが、
民間試験の導入に半数近くの大学が問題ありと答えているのが現状です。

 

僕も個人的には反対です。
受験料が高いことに加えて、
その評価方法に問題があると感じています。
外部試験は英検やTOEIC、TOEFL、TEAPなどが対象ですが
それぞれの試験のスコアをCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)と対照され、
6段階(A1~C2)に相対評価されます。
しかし、それぞれの試験が求める力は異なります。
例えば、TOEICの半分以上はビジネス関係の英語です。また、TOEFLは留学するために必要とされる試験です。
それらを一つの相対的な指標で表すのは目安にはなりますが、
もっと細かい基準がないと試験間の公平な評価ができません。

 

 

いろいろな問題がありそうな大学入試改革です。
今後、文部科学省の方針が大きく変わる可能性も否定できません。
とはいえ、スクール寺子屋は高校生専門塾なので、
今ある情報を踏まえて、しっかりとした対策をしていきます。

 

 

①どの試験を選ぶか

どの民間試験を選択するかは重要な問題です。
選ぶポイントは採用率と対策の立てやすさでしょう。

 

 

その点から判断すると、
やはり英検が最も適当でしょう(帰国子女をのぞいて)。
採用率も9割以上と最も高く、
私大や国公立二次試験の対策とかぶる部分も多いので、
対策しやすさも利点です。

 

 

②四技能

昨年、国立大学協会が民間試験をどのように活用するか示されました。

 

各国立大学は民間試験の活用で
以下の3つうちのいずれかを基本とする方針です。

A 民間試験の結果を出願資格として活用する。
B 共通テストの英語試験の得点に加点する形で活用する。
C AとBの両方を組み合わせて活用する。

 

 

A 民間試験の結果を出願資格として活用する。

国立大学ではこのケースが最も多そうです。

 

 

東京大学は出願資格をCEFR A2(ほぼ英検準2級合格レベル)と方針を発表しました。
一時期は民間試験を利用しない案がありましたが、
今回、示されたものは民間試験が必須であるという条件ではないものの
国立大学協会の方針に近いものとなりました。

 

この東京大学の発表により、出願資格をA2にする大学が増えています。
例えば、東京工業大学、東京外国語大学、名古屋大学、京都大学などです。
A1を出願資格としている大学もあります。

 

英検準2級は高校1~2年生レベルです。
日本のそうそうたる大学が受験資格と課すレベルです。

 

 

B 共通テストの英語試験の得点に加点する形で活用する。

2020年度からセンター試験に代わり
共通テストが実施されます。
その共通テストの英語の点数に民間試験のスコアが加点される形です。

 

国立大学協会では英語全体の満点に民間試験のスコアが占める割合として
2割以上という数値が発表されました。

 

例えば、検定試験の結果が英語全体に占める割合が2割だと仮定すると
250点満点で共通テストが200点、検定試験が50点の配点となります。
そして共通テストは読解とリスニングの配点が半々です。
ちなみにセンター試験は英語の筆記、リスニング合わせて250点ですが、
読解問題が140点ぐらい、リスニングが50点でした。

 

 

上記はあくまで、国立大学の一般選抜についてです。
一般選抜以外にも推薦型選抜、総合型選抜(AO入試)があり、
私立大学は外部検定試験を活用する大学も増えています。

 

 

あくまで個人的な感想ですが、
国立大学は外部検定試験の活用に消極的ではないでしょうか。

 

 

もちろん国公立大学を受験する生徒は
私立大学と併願して受験する生徒の方が圧倒的に多いので、
志望する全ての大学の外部試験の活用について調べないといけません。

 

 

しかし、国立大学を第一志望とする場合、
配点や出願資格を考慮すると4技能(聞く、話す、読む、書く)が均等に評価されるわけではなく、
以前の入試と比べると『聞く力』の比重がかなり大きくなります。
このため、スクール寺子屋では新高校2年生の英語の授業を増やし、
リスニングのトレーニングを通常授業で盛り込んでいきます。

 

 

③受験時期

外部試験の結果が各大学に提供されるのは
高校3年生の4~12月に受検した、2回までの結果に限られます。

 

 

受験生対象の新しい英検『英検2020 1day S-CBT』が実施されるようになりました。
今までの英検ですと年間3回実施されておりましたが、
新しい英検は毎月実施することが予定されております。

 

つまり、予定通りの実施になれば、
4~12月の2回のどの月を選択するかは非常に重要になってきます。

 

 

今回の入試改革で調査書(高校の成績)も積極的に活用されます。
ちなみに名古屋工業大学では全ての入試において
調査書を積極的に活用していくとすでに発表があります。
調査書は定期テストの結果が大きく反映されるので、
定期テストの直前に英検を受験するのは避けたいです。
また、1月中旬の共通テストの直前も避けたいです。

 

 

すると自ずといつ受験すればいいのか見えてきます。
寺子屋でもその辺りを考慮して、
英検の直前期に通常授業とは別に英検対策をしていきます。

 

 

今までの話は現時点で発表されていることを
私なりにまとめたものです。
より具体的な情報はこれからどんどん発表されますので、
最新の情報をご確認ください。

 

 

方向性が今後も変わらなければ、
高校生専門塾として何をしなければならないか答はもう見えています。
寺子屋生には授業や保護者面談で最新の情報を伝え、
生徒の志望や特性に合わせた受験プランを提案しますのでご安心ください。

 

 

新しい大学入試。
全貌が徐々に見えてきました。
今までの一般入試では当日の試験の結果だけで評価されることが多くありましたが、
これからは、共通テスト、大学独自の試験、英語外部試験、調査書のための定期考査など、試験だけ数えても細分化されていきます。
そして、試験の時期は幅広くなっていきます。

 

 

高校1年生は1週間後に迫った学年末考査。
これに全力を尽くしましょう。