岐阜市は、岐阜城がよく知られていますが、実は岐阜市内にはもうひとつ、
歴史的に重要なお城「加納城」もありました。
加納城は、1601年(慶長6年)、徳川家康の命によって築かれたお城です。
関ヶ原の戦いのあと、東海道と中山道の分岐点に位置するこの場所に新たな城を築くことで、
美濃地方の支配を強めようとしたとされています。
江戸時代には加納藩の中心として使われ、多くの譜代大名が入れ替わりながら治めてきました。
加納城の特徴は、平城でありながらしっかりとした石垣や堀を持ち、天守も存在していたこと。
(歌川広重による木曽海道六十九次にも加納城が描かれています)
1871年の廃藩置県により廃城となり、今では遺構の一部が残るのみですが、
加納公園のあたりを歩くと、当時の名残を感じることができるでしょう。
もし加納城が残っていたら、確実に岐阜の街を彩る、確かな観光資源になっていたでしょう。
普段見慣れた町の中に、こんなに深い歴史があると知ると、少しだけ見方が変わるかもしれませんね。
歴史は、年号や出来事を覚えるだけではなく、
「この場所で何があったのか」「なぜそこが選ばれたのか」と考えることで、
より興味が湧いてきます。そうした学びのきっかけを、大切にしてしけたらと思います。