冬期講習も終盤を迎え、
高校1・2年生向けに進研模試の過去問解説を行っています。
進研模試は記述形式の問題が多く、
特に国公立大学を志望する生徒にとって、
二次試験の貴重な練習機会となります。
私は数学と国語を担当しており、
進研模試期間中は現代文の解説にも力を注いでいます。
通常授業では、高1生は数学・英語が中心で、
高2生は国語も指導しますが、古文が主なテーマです。
そのため、進研模試対策の際のみ現代文の指導が可能となり、
この機会を生徒の得点力向上に活かしたいと考えています。
現代文で得点を安定させるためには語彙力も重要ですが、
授業時間には限りがあるため、
私は「解き方」に重点を置いて指導しています。
よくある生徒の課題として、
文章の大枠は理解しているのに
「解き方」が誤っているというケースがあります。
例えば、問題文で「具体的に100字以内で述べなさい」と指示されているにもかかわらず、
「具体的に」書けていない場合です。
このような場合、部分点が得られたとしても、本来求められている解答とは大きく外れてしまいます。
本文から適切な具体例を抽出し、それを解答に反映することが求められます。
また、問題文に目を通さず闇雲に本文を読んでしまい、
時間を浪費する生徒も少なくありません。
私は、本文を読む前に問題文を確認することを推奨しています。
あらかじめ問題を把握しておくことで、
本文のどの部分に注目すればよいかが明確になり、
効率的に読み進められるようになります。
「共通テストでは国語を使うが、記述は必要ない」と考える生徒もいますが、
記述スキルは選択肢問題を解く際にも大いに役立ちます。
消去法で解く生徒が多い一方で、
私はまず「自分の言葉で解答をつくる」ことを勧めています。
そのうえで、自分の解答に最も近い選択肢を選ぶほうが根拠を持って解答できますし、
解答にかかる時間も短縮されます。
よく「文章を読むのが遅い」と相談を受けますが、
実際は読む速度よりも「解くスピード」が原因であることがほとんどです。
解き方を適切に身につけることで、スピードも安定性も向上します。
冬期講習は、集中して勉強に取り組む絶好の機会です。
進研模試の過去問という良問を活用し、
生徒たちには現代文の「解き方」を伝えます。
ただし、授業で理解できたことを本当に身につけるには、
自分で実践して「消化」していくことが大切です。
新しい問題を解くときに、授業で学んだ解き方を試してみてください。
自分で考え、自分のものにしていくプロセスこそが、得点を安定させる秘訣です!